始めて私のことを知る方は大体「木材アーティストって?」
と疑問を持つだろう。
私もその辺はよくわかっていない。
木材に特段詳しいわけでもなく、自分で木を選別するわけでもない。
ただ、キャンバスではなく木材に絵を描いているからそう名乗り出した。
木材に描き出したのは、
旦那さんが木材加工の会社に勤めており、
あとは捨ててしまうだけの端材をもらってきたことがきっかけだった。
元々絵を描いたり工作するのが好きだった私は、端材に絵を描いて遊んでいた。
テーマを決めずただ好きなように色を塗って・・重ねて遊んでいた。
絵を描くのが好きな割には、
真っ白なスケッチブックに書くのはなんだか気が引ける、、、
そんな性分。
小さい頃は両親が共働きで家を空ける時間が多かったので、
同居していた祖父母と過ごす時間も長く、
彼らはなんでも「もったいない」というのが口癖だった。
だから絵を描くときは必ずカレンダーやチラシの裏。
あとは父が段ボール会社に勤めており、自宅に段ボールがたくさ
んあったため、段ボールには描き放題。
そんな環境で育ったため、真っ白なキャンバスは到底気が引けてしまうのだ。
”あとはもう捨てるだけ・・・”
旦那さんが持ってきた木材の端材は、
私にとっては最高に「ちょうどいい」アイテムだったのだ。
それが私の木材アーティストを名乗るきっかけだった。
ただ、これだけだとなんだかカッコがつかないので追加で話しておくと、
木材は生きている。
端材といっても生きている。
ぼこぼこしたり、ざらざらしたり、
磨くとスベスベになったり、湿度によっても伸びたり縮んだり・・
私はアーティストとして絵の上手さや、美しさを表現するのではなく
「生きている」ことを表現したい。
木材の温かみと触れた時の感覚、
持った時の重厚感をぜひ”触れて”感じてほしい。
展示されている作品にはぜひそっと触れて、感じてください。
木材アーティスト Hanna